松原アーバンクリニック 医療法人社団プラタナス

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再評価されつつある有床診療所の価値

松原アーバンクリニックは開院以来、有床診療所の可能性を信じて運営してきました。

クリニックのコンセプトは在宅医療と病棟、外来まで継ぎ目なく連携した「シームレスな医療」です。

地域の患者さんに本当に安心して療養生活を送っていただくために、普段は住み慣れたご自宅で、いざという時は病棟に入っていただける、通院できるときには外来に来ていただく、というように患者さんに合わせて医療を提供でき、療養生活をサポートできる形態です。

世の中の一般的な流れとして、有床診療所は医療における使命を終えつつあると思われており、診療報酬も低く抑えられているため、単独では運営維持するのが難しいとされています。

病棟自体がコストのかかる形態であるということに加え、小規模では効率が悪いということで、医療費削減の方針のなかでの動きです。一方、同じ方針のなかで在宅医療は今後伸ばしていこうというのが制度的な流れです。

私たちは、在宅医療と病棟の両方を合わせて運営することで、患者さんにとっても安心出来て、経営的にも安定する医療の形態を作れると考えて6年前に松原アーバンクリニックを開設しました。

あまり前例のない形でしたので様々な苦労をしてきましたが、6年間運営を続けることができました。6年という時間を経て、私たちが考えたことは間違いではない、という手応えを得ることもできました。

当院で療養生活をサポートさせていただき、終末期を病棟やご自宅で迎えられた方々のご家族からよくお手紙をいただき、温かいお言葉をいただきます。そのお言葉から、患者さんとご家族の役に立てたと思うのです。

少しだけ紹介させていただくと、

「スタッフの皆様がとても親切で安心感がありました。今も本人の穏やかな表情が目に浮かんできます」

「患者も自身も人生の最後の日々のあり方について希望をドクターに伝え、方針を納得したうえで安心して過ごせたことに満足していたと思います。」

「自宅での看護、介護に限界を感じていたときに、迅速に母の入院を決めていただき本当に助かりました。」

「安心して人生の最期を過ごせる貴院のような施設が増えることを願ってやみません。」

医療の形態だけでなく、スタッフの応対も含めて温かいお言葉をいただき、自分たちの信じていることは間違っていないという思いを深めることが出来ているのですが、嬉しいことに最近になって、医療制度のなかでも在宅医療における「有床診療所」の価値を再評価する動きがでてきました。

先日の中医協*で、厚労省から在宅療養支援診療所の将来像が3つ示され、その中で在宅看取りの促進と、患者さんやご家族にとってより安心、安全な在宅療養の実現という観点から、「有床診療所」が1つの理想的な在宅療養支援診療所のモデルとして認められたのです。

<在宅療養支援所の目指すべきイメージ>
(1)複数の医師等が在籍し、自院のみで外来から急変時の入院、看取りまでを完結できる有床診療所
(2)複数の医師等が在籍し、自院のみで外来から看取りまで対応できるが、急変時の対応については在支病との連携を行う無床診療所
(3)医師の複数配置はないが、他の在支診、在支病と連携し補完しあう無床診療所

来年の診療報酬改訂で上記に該当する医療機関の評価を見直す方針も確認され、当院のこれまでの取り組みが報われたようでした。

実際、当院に在宅診療を依頼される方の中には、万が一の時に利用できる病棟があるからという方も多く、不安の多い在宅療養にあって、病棟の存在が患者さんやご家族の体力的、精神的負担の軽減に繫がっていることを実感しています。

制度に左右されずにこれまで運営を行って来ましたが、やはり社会的にも意義を認められることは嬉しいことです。

本当に患者さんに必要とされているベッドだからこそ、今後もスタッフ一同が協力して病棟を守って行きたいと思います。

事務長  荒木 庸輔

*中央社会保険医療協議会。厚生労働省関係審議会の一つ。

参考URL:
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tylo.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tylo-att/2r9852000001typa.pdf



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